理学療法士のリハビリブログ

対応エリア:東京23区

※区外の地域の方でもご相談可能です。

電話03-6869-0323

受付時間:平日 9:00~18:00

リハビリブログ BLOG

ネクストステップスであなたの症状も改善。 ネクストステップスであなたの症状も改善。
リハビリテーション

筋ジストロフィーは早期リハビリが重要! 生活の質を維持する方法を解説

2023.10.6

慢性疾患の一つである筋ジストロフィー。進行性である筋力低下に合わせてさまざまな合併症を発症していく病気なので治療が長期になる場合があります。

以前は、「成人するまで生きるのが難しい病気」とされていましたが、薬物療法や機能訓練の発達により、成人期以降も病気と向き合いながら生活できる患者さんも増えてきました。

現在では、根本的な治療薬の研究も進みつつあるため、希望を持ちながらも冷静にリハビリをこなし、将来に備えることが重要です。

今回は、筋ジストロフィーにリハビリが必要な理由やリバビリのポイントについてご紹介します。

筋ジストロフィーにリハビリって必要?治療が長期になることも

筋ジストロフィー リハビリ2 1024x677 - 筋ジストロフィーは早期リハビリが重要! 生活の質を維持する方法を解説

筋ジストロフィーは、重大な合併症も引き起こす難病ですが、リハビリなど適切に対処していくことで生活の質を維持しながら成人後も生活していくことが可能です。筋ジストロフィーの特徴について見ていきましょう。

筋肉が徐々に弱る|筋ジストロフィー

筋ジストロフィーとは、リハビリが必要な国指定の難病の一つで、「筋ジス」とも呼ばれています。筋肉が少しづつ弱くなっていく遺伝性の筋疾患で、小児期に発症し、成人前に歩行不能となることが多いです。

発病する原因は解明に至っておらず、筋肉の変性や壊死が起こると再生されにくいので、筋力低下により身体を動かすことが難しくなっていきます。

筋ジスの種類によっては、呼吸機能や心筋に障害を及ぼすなど命の危険性を伴う合併症や、言葉の発声が難しくなる構音障害、白内障や難聴などの合併症を併発することもあるため治療が長期にわたることもあります。

最も多いのが「デュシェンヌ型」

筋ジストロフィーにも種類があり、筋ジスのなかでもっとも多く70%を占めているのが「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)」です。2013年の時点で男子が出生して3500〜5000人に一人の割合で3歳〜5歳の小児期に発症しています。

症状には歩行障害、筋委縮などがあり、進行が早いので20歳前後で死亡してしまうケースもあります。

DMDは、主に男児にみられますが、DMD以外にも症状の出始めが遅い「ベッカー型」、男女問わずに発症する「福山型」など先天性の筋ジスもあります。

リハビリで生活の質を維持することが可能

現在に至るまで根本的な治療法のない筋ジストロフィー。以前は、「生きられるのは20歳まで」といわれていましたが、リハビリの効果により50代以上の患者さんも見られるほどになりました。

筋ジスによる機能障害や合併症を止めることはできないのですが、リハビリは、患者さんが成人後も自宅で生活したり、障害があっても生活の質を維持していくことを可能にしています。

【参考:J-STAGE「筋ジストロフィーのリハビリテーション」

筋ジストロフィーのリハビリ|介助してもらいながら行う方法

筋ジストロフィー リハビリ3 1024x677 - 筋ジストロフィーは早期リハビリが重要! 生活の質を維持する方法を解説

筋ジストロフィーのリハビリは、自分で手足を動かせない場合が多いので、リハビリスタッフや家族に介助してもらいながら行うのがポイントです。各部位につき30秒×3セットを目安にして行いましょう。

リハビリ①足首を柔らかくする

足首が固くなると、つま先歩き(尖足)になりやすく、尖足になると転倒しやすくなったり歩くさいに疲れやすくなったりします。

足首をやわらかくして尖足を防ぐ筋ジストロフィーのリハビリをご紹介します。

①患者さんを仰向けに寝かせ、患者さんの踵を持って足の裏に介助者の腕をぴったりくっつけます。

②患者さんの膝が曲がらないように、片方の手で介助者は膝を抑えます。

③その状態で足首を徐々に反らせ、筋肉を伸ばします。

リハビリ②膝をのばしやすくする

膝が伸びにくくなっていると、歩くさいに太もも全面に余計な負担がかかり、長く歩くことが困難になるので、膝を伸ばしやすくする筋ジストロフィーのリハビリを説明します。

①患者さんを仰向けに寝かせます。介助者は、患者さんの足首を踵から持って、患者さんの膝を伸ばしたまま天井のほうへゆっくりと上げます。

②膝が曲がらないように介助者が上から押さえます。

③患者さんの反対側の足が持ち上がらないように脚などを使って上から押さえます。

リハビリ③脚を曲げやすくする

脚を曲げやすくする太もも前側の筋ジストロフィーのリハビリです。立つ・歩くといった動作に役立ちます。

①患者さんをうつ伏せに寝かせ、介助者は、患者さんの足の甲を持ってゆっくりと膝を曲げます。

②お尻が浮かないように手でお尻を上からしっかり押さえます。

リハビリ④猫背姿勢を防ぐ

太ももの外側の筋肉が弱くなると、脚が閉じにくくなるので、ガニ股のように開いてしまったり猫背姿勢にもつながります。猫背姿勢を防ぐための筋ジストロフィーのリハビリをご紹介します。

①患者さんはうつ伏せの状態で、介助者は患者さんの膝を90度に曲げた状態で、膝を抱え込みながら太ももを持ち上げます。

②太ももを上げたままで、患者さんの脚の内側に倒します。

③お尻がついてこないようにしっかりと上から押さえます。

筋ジストロフィーの治療後に自宅で過ごす生活での4つの注意点

筋ジストロフィー リハビリ4 1024x669 - 筋ジストロフィーは早期リハビリが重要! 生活の質を維持する方法を解説

筋ジストロフィーにリハビリは欠かせないものですが、リハビリの実施にあたっていくつか注意するべき点があるので見ていきましょう。

日常生活の動きだけでもリハビリになる

歩くことが一人でも可能な患者さんは、起き上がる・立つ・家事動作など、日常生活に必要な動きだけでも十分な筋ジストロフィーのリハビリになります。

一日の適度な運動の量は人によって異なるため、リハビリ終了時に「やや疲れた」と感じる程度が適切な運動量です。万歩計で歩数を確認しながら一日に活動する量を決めていきましょう。

運動のし過ぎと廃用を予防する

適度な筋ジストロフィーのリハビリは、運動機能を維持し、廃用症候群を防ぐためにも重要ですが、運動のし過ぎは病気で弱くなった筋力をさらに痛めてしまうおそれがあるため、注意が必要です。

高い負荷をかける筋トレは筋肉を障害するおそれがあるので、低負荷な運動をリハビリスタッフのもとで行うことが効果的です。

転ばないような環境設定をする

筋ジストロフィーのリハビリの際に、転倒などでケガをしてしまうのを防ぐためにも、プロテクターなどの装具を使用したり環境整備には十分注意して行いましょう。骨折などケガによる動けない時間の増加は、筋力がさらに弱るので廃用による機能障害の原因にもなります。

環境整備のポイントとしては、転倒を防止するために家では床にものを置かない、段差をなくしたり、トイレやお風呂に手すりをつけるなどがあります。

体重は定期的に確認する

筋ジストロフィーのリハビリの一貫として、体重は定期的に測るようにしましょう。ステロイド療法の副作用により、食欲が出て体重が増加し過ぎることがありますが、急激な体重の増加は、筋肉への負担になります。

また、急激に体重が減少することも、栄養不足になっていたり合併症を併発している可能性があるため、早期発見のためにも体重のチェックは欠かさないことが重要です。

筋ジストロフィーのリハビリ内容や生活の注意点まとめ

筋ジストロフィーのリハビリで注意すべきポイントや病気の特徴についてご紹介しました。

筋ジストロフィーは、治療方法の改善により、今では50代以上の患者さんもみられる程に生命予後が改善してきました。

病気があっても、身体の状態に合わせた適度なリハビリを行うことで、筋力の低下を遅らせることができるようになっています。

大人も子供も長期休暇時の際は、特に運動不足になりやすいので、意識的に継続的な運動を心がけ、生活の質を維持していきましょう。

執筆監修 佐々木 寛時

執筆監修 佐々木 寛時

1993年 岩手県盛岡市生まれ。
2015年4月 理学療法士 国家資格取得
2015年4月~2019年 回復期リハビリテーション病院
2020年1月~2022年6月 訪問看護リハビリステーション
2022年7月 自費リハビリ ネクストステップス 設立

あなたにおすすめの記事

リハビリテーション

歩行に必要な筋肉をリハビリで回復・増強するメリットとは?リハビリの種類や効果をご紹介

2022.9.17

リハビリテーション

脳卒中になったら…リハビリは必要?入院期間は?気になる事を徹底解説

2023.3.21

リハビリテーション

運動器不安定症はリハビリで改善できる⁉治療するには早期発見がカギ‼

2023.7.18

リハビリテーション

「退院後なのに体力回復しない…」そんな時に役立つ在宅生活のポイント3つ

2023.3.31

リハビリテーション

脳出血の半身麻痺は治るの?後遺症へのアプローチや効果的なリハビリ

2023.6.23

リハビリテーション

脳梗塞による後遺症からの回復!体験談を紹介【6ヶ月の壁を超える】

2023.6.13

おすすめの記事をもっと見る

今、読まれている記事

Daily

Weekly

Monthly

リハビリの料金相場ってどのくらい? 自費...

2023.02.14

脳出血で後遺症なしの確率は低い?寝たきり...

2023.07.14

退院後の体力回復には食事が重要?健康な生...

2023.05.02

入院中の筋力の低下を回復するために必要な...

2023.06.30

「退院後なのに体力回復しない…」そんな時...

2023.03.31

脳内出血の回復率や再発率ってどのくらい?...

2023.05.19

筋スパズムにリハビリは効果的?症例や実際...

2023.04.18

脳出血の半身麻痺は治るの?後遺症へのアプ...

2023.06.23

膝蓋骨の骨折後のリハビリはどのようにする...

2023.10.03

健康な体を保ちたい…退院後の筋力トレーニ...

2023.01.17

リハビリの料金相場ってどのくらい? 自費...

2023.02.14

脳出血で後遺症なしの確率は低い?寝たきり...

2023.07.14

入院中の筋力の低下を回復するために必要な...

2023.06.30

退院後の体力回復には食事が重要?健康な生...

2023.05.02

脳内出血の回復率や再発率ってどのくらい?...

2023.05.19

「退院後なのに体力回復しない…」そんな時...

2023.03.31

膝蓋骨の骨折後のリハビリはどのようにする...

2023.10.03

健康な体を保ちたい…退院後の筋力トレーニ...

2023.01.17

脳出血の半身麻痺は治るの?後遺症へのアプ...

2023.06.23

リハビリで効果的なバランス訓練とは?高齢...

2023.05.12

リハビリの料金相場ってどのくらい? 自費...

2023.02.14

脳出血で後遺症なしの確率は低い?寝たきり...

2023.07.14

脳内出血の回復率や再発率ってどのくらい?...

2023.05.19

入院中の筋力の低下を回復するために必要な...

2023.06.30

退院後の体力回復には食事が重要?健康な生...

2023.05.02

「退院後なのに体力回復しない…」そんな時...

2023.03.31

膝蓋骨の骨折後のリハビリはどのようにする...

2023.10.03

健康な体を保ちたい…退院後の筋力トレーニ...

2023.01.17

脳出血の半身麻痺は治るの?後遺症へのアプ...

2023.06.23

脊髄梗塞ってどんな病気?リハビリの内容や...

2023.08.01

ネクストステップスであなたの症状も改善。

長く読まれている記事

リハビリの料金相場ってどのくらい? 自費...

2023.02.14

退院後の体力回復には食事が重要?健康な生...

2023.05.02

腰椎圧迫骨折はリハビリで寝たきり生活予防...

2022.10.14

「退院後なのに体力回復しない…」そんな時...

2023.03.31

脳内出血の回復率や再発率ってどのくらい?...

2023.05.19

脳出血で後遺症なしの確率は低い?寝たきり...

2023.07.14

筋スパズムにリハビリは効果的?症例や実際...

2023.04.18

健康な体を保ちたい…退院後の筋力トレーニ...

2023.01.17

退院後の体力回復の期間の過ごし方とは?自...

2023.01.31

歩行リハビリって何をするの?4ステップの...

2022.10.11

ご利用者の声 CASE

肩こり・腰痛・脊椎疾患

【圧迫骨折リハビリ】寝たきりの状態から歩けるまでに…圧迫骨折を経験した70代女性

2022.9.5

膝,股関節,変形性関節症

【50代の変形性膝関節症】 新しい発見と生きがいを守る自費訪問リハビリ

2022.10.8

肩こり・腰痛・脊椎疾患

交通事故による腰痛がひどい…5回のリハビリで痛みが改善した20代女性

2023.7.3

肩こり・腰痛・脊椎疾患

【腰椎分離症リハビリ】体重に悩んだ20代女性がリハビリで前向きに

2022.9.16

膝,股関節,変形性関節症

【股関節リハビリ】70代男性股関節骨折の術後に趣味のゴルフを楽しめるようになった

2022.9.22

肩こり・腰痛・脊椎疾患

【腰椎すべり症リハビリ】高齢者に多い腰椎すべり症・背骨の圧迫骨折|80代女性が経験した治療

2022.8.30

ご利用者の声をもっと見る

体験予約

無料電話相談

体験プログラム0円

改善の一歩は無料体験から始まります

無料電話相談受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

受付時間:平日9:00~18:00

まずはお気軽にご相談ください CONTACT

対応エリア:東京23区

※区外の地域の方でもご相談可能です。

電話03-6869-0323

受付時間:平日9:00~18:00

〒105-0013 東京都港区浜松町2丁目2-15 浜松町ダイヤビル2階