リハビリを行ったり継続したりすると体の機能が回復しますが、前向きに取り組めないと効果が出にくいこともあります。リハビリ療法に対して不安や不満がある場合は、手段を見直すことが大切です。

リハビリ療法を再考することで、目標が明確になり、次の一歩を踏み出すことができます。この記事では、リハビリ療法を再考する意味や相談方法、セカンドオピニオンについて解説します。

また、リハビリ療法とは本来何をするものかを理解することで、自分の目標に向かってリハビリを進める方法が見えてくるでしょう。

リハビリ療法を再考する前に…訓練の本来の意味を解説

リハビリの本来の意味や内容をご存知でしょうか。リハビリ療法について再考したり、他の治療方法を検討する前に、本来の内容や期待できる効果を知っておきましょう。また、今のまま続けずにリハビリ療法を再考した方が良い理由もご紹介します。

リハビリ療法とは本来何をするのか

リハビリ療法とは本来、病気や怪我などが原因で人間らしい社会生活を送れなくなった場合に、再び人間らしく生きる権利を回復する目的で行われます。心身の機能を元に戻す目的だけではないのです。

そのため、リハビリ療法では患者さんが望む生活を実現するために、運動療法・物理療法・日常生活動作訓練・装具療法などが実施されます。元の状態に体を戻すだけでなく、痛みを緩和したり、今の状態に合った生活をしていくリハビリも行われるのです。

リハビリ療法で期待できる効果

病気や怪我の程度にもよりますが、適切なリハビリ療法を続けると、体の機能が向上したり、現在の機能を活用して生活ができるようになったりする可能性が高まります。

また、リハビリでは心の状態を改善する効果もあります。実際に脳卒中後や高齢者は、体の変化によりうつ状態になる方もいらっしゃるのです。リハビリ療法でできることが増えたり、役割を再獲得すると心の状態も安定するといわれています。

リハビリ療法を再考する必要性

リハビリで効果がないと不安や不満から、消極的になる方が多いでしょう。リハビリで効果を出すには、能動的・前向きな姿勢が必要です。そのため、リハビリ療法に対して疑問がある場合は、再考してより効果が出る方法を考える機会が必要となります。

参考：社会福祉法人函館厚生院函館五稜郭病院「リハビリテーションとは？」

リハビリ療法を再考するタイミングはいつ？相談できる窓口も

リハビリ療法を再考したいと思っても、「まだ早すぎるのではないか」「今更遅いかもしれない」とタイミングで迷う方がいらっしゃるでしょう。遅すぎることはないのですが、再考するべきタイミングがあります。相談先と併せて知っておくと、再考すべきタイミングですぐに利用できます。

リハビリ療法を再考するタイミング

次のようなタイミングでリハビリを再考すると、違う選択肢を検討したり、今のリハビリへの理解が深まったりします。

• 主治医から診断と今後の治療方針の説明がされた後
• リハビリの初期評価が終わり、目標が決まった後
• リハビリを続けていて不満や不安が出てきた時
• リハビリに関するほかの情報が気になった時
• ほかのリハビリサービスを受けてみたい時

主治医や担当スタッフに確認する

リハビリ療法を再考したい時は、まず主治医や担当スタッフに話を聞いてみましょう。現状を理解したうえで、リハビリ療法をもう一度考えてみると、効果が出る方法が見えてくる場合があります。

リハビリでは3〜6ヶ月に1回は再評価をして、目標を立て直す、または継続する決定をします。もし、再評価がされていなかったり、結果がわからない場合は、担当スタッフにお願いしてみましょう。再評価をきっかけに、リハビリ療法の再考ができます。

他職種の意見を聞いてみる

今のリハビリではご自身の生活目標が達成できないと感じる場合、他職種の意見を聞いてみるのも再考する機会になります。リハビリ療法には、理学療法・作業療法・言語聴覚療法などがあり、複数の訓練を受けている方もいらっしゃるでしょう。

1つの方法に疑問がある場合、別の方法の担当スタッフに聞いてみるのもオススメです。リハビリを掛け持ちしている場合でも、同じ目標に向かってそれぞれ動いています。そのため、別のリハビリスタッフに聞いてみると、違う角度からリハビリ療法を再考する機会になるのです。

リハビリ療法を再考するにはセカンドオピニオンを利用しよう

リハビリ療法を再考するには、今の施設のスタッフに聞くだけでなく、セカンドオピニオンを利用する方法もあります。セカンドオピニオンとは、今の担当ではない医師やリハビリスタッフの意見を聞いて、納得した治療法を探すものです。セカンドオピニオンを行う方法をご紹介します。

セカンドオピニオンでできること

セカンドオピニオンでは、別の病院や施設の医師・リハビリスタッフと今のリハビリについて考えるため、リハビリ療法を再考する機会になります。

セカンドオピニオンでは、患者さんの目標が大切です。生活目標を達成するために、今のリハビリ療法が合っているのかそうではないかを再検討します。セカンドオピニオンを通じて、目標が明確になって、前向きにリハビリに取り組める方もいらっしゃいます。

医療機関でセカンドオピニオンを受ける方法

医療機関でセカンドオピニオンを利用する場合は、セカンドオピニオン外来を利用しましょう。「お住まいの地域＋セカンドオピニオン外来」とインターネット検索をすると、ヒットします。

セカンドオピニオン外来を受けるには、今の病院からの紹介状や検査結果、リハビリの経過などの書類が必要です。必ずもらってから受けるようにしましょう。

自費リハビリを利用する手段もある

リハビリスタッフに直接セカンドオピニオンをして欲しい場合は、自費リハビリを利用しましょう。自費リハビリは病院からの書類や診察が必要ないため、早くセカンドオピニオンを利用できます。ご自身の病気・怪我の専門性が高い自費リハビリサービスを利用すると、効果が出るリハビリ療法を見つけやすいです。

まとめ｜リハビリ療法を再考する

リハビリ療法を再考する必要性はあるのでしょうか？答えは「YES」です。リハビリをいつも同じやり方で続ける必要はありませんが、リハビリを続ける中で感じる不安や不満を解消することができます。

生活期のリハビリに入ると、自分の意思でリハビリを継続する必要があります。これには、不便な日常生活と地道なリハビリという、二つの大きなストレスが伴います。たとえば、毎日の家事や学校生活の合間にリハビリを行うことは、時にとても大変です。

もし、少しでもストレスやモチベーションの低下を感じたら、リハビリ療法を再考してみることをおすすめします。リハビリを見直すことで、より効果的な方法を見つけるチャンスになります。また、リハビリについて新しい視点を持つことで、改めてリハビリと向き合う時間を持つことができます。

リハビリを続ける中で、自分に合った方法を見つけることはとても重要です。たとえば、運動の種類を変えたり、リハビリの時間を調整したりすることで、リハビリの効果を高めることができます。また、専門家に相談することで、新しいアドバイスやサポートを受けることもできます。

リハビリは、目標に向かって少しずつ進む大切なプロセスです。時には困難に感じることもありますが、リハビリ療法を再考することで、より良い結果を得ることができるでしょう。リハビリを頑張っている皆さんが、自分にぴったりの方法を見つけて、理想の生活に近づけるよう応援しています。